肺真菌症のご紹介

肺に引き起こされるカビによる病気のことは、深在性真菌症(しんざいせいしんきんしょう)と呼びます。
肺だけの感染にとどまらず、血液の中へと入り込み、脳、肝臓、腎臓などに感染するケースもあります。
原因は真菌(カビ)です。
菌の種類としてはクリプトコッカス、カンジダ、アスペルギルス、ムコールが挙げられます。
カビは病原性に乏しいのが特徴で、口腔内や上気道に常に存在しています。
通常、感染しても発症に至らず、症状が引き起こされることはありません。
ですが、体の抵抗力がダウンしている状態だと真菌が勢力を拡大し、感染したあと症状が引き起こされるようになるのです。
これはいわゆる日和見感染(ひよりみかんせん)と呼びます。
また、白血球が減少していることも、肺真菌症を引き起こす原因となります。
免疫抑制薬や副腎皮質ホルモンの使用、抗がん剤の使用、白血病に罹患(りかん)していることで白血球が少なくなると、感染し発症します。
肺真菌症であるかどうか調べる方法として、気管支鏡(きかんしきょう)検査を挙げることができます。
内視鏡検査の気管支版のようなもので、この検査により病巣部の分泌液を調べ、真菌の有無を確かめます。
ほかには、気管支肺洗浄により肺の一部洗浄を行い、洗浄液内に存在する微生物を培養することによっても、真菌があるかどうかを調べられます。
ただ、真菌があることが判明しただけでは、肺真菌症と確定することはできません。
というのも、口腔内や上気道に真菌は常在しているものだからです。
したがって、多量の同種の真菌がいることがわかった場合に、その真菌が原因で症状が引き起こされているという予測がつくのです。
仮に真菌に感染している場合、抗体が血液内につくられるのですが、これは抗原抗体検査により明らかになります。
血清中の抗原抗体検査により抗体の存在が確認できれば、肺真菌症と診断がつくケースがあります。
ただし、必ずこうした順序を経て診断がつくわけではなく、手術を行ってはじめて診断がつくこともあるのです。